猫はアルファでありオメガである

くだらないこも書いてます

雑誌編集者になって1年たったのでその感想


雑誌編集という職について1年とちょっと。まだ1年なんだけど、すごく長かった気がする。それでこの仕事を始めてから、思ったことをいくつか。

面白いものを作るのはやっぱり難しい

編集者になる前、「面白い」ということに対する意識はひどく漠然としたものだった。面白いことが好きでも、それについて真剣に考えたことがなかったんだ。でも、くだらないことを考えるのは得意だったから、その方面ではすぐに活躍出来ると思ってた。でも働き始めて、最初の企画会議で僕の自信は打ち砕かれました(笑)。
僕の企画は、ほとんど相手にもされなかったんだよね。だいたいが面白くないし、面白くても方向性が雑誌の性格と違ってたり。結局それから1年経って、僕が提案した企画がメインになったこともあるし、一本も採用されなかった月もある。自信がある企画が相手にされず、適当に考えたやつが採用されたり。よく分からない。本当に面白いって難しい。

人は「好き」に支配される

ファッションが好きな人は、ファッション系の企画をよく出すし、記事を組む時もファッション誌を意識したデザインにしたがる。
僕は企画は「オモコロ」とか「LIG」を意識したもので、デザインはアニメやゲームの真似をすることが多い。どちらも僕の好きなもの。作るものが、好きなものに似てしまう。これは他の職種でも、あることらしい。
例えばデザイナーでも、車が好きなデザイナーが作るのは、同じデザイナーから見ると「この人は車が好きなんだ」ってなんとなくわかるデザインだったするみたい。カメラマンでもV系が好きな人は光を強めに飛ばして写真を撮るらしい。
自分が何を好きになるかって、とっても大切なことなのだろう。

紙媒体に未来はない

紙の雑誌はいつかなくなる。これは仕事を始めて結構早いうちに確信した。
僕はできれば編集者を一生の仕事にしたいと思ってる。けど、雑誌編集者としては難しいだろうな。だって、雑誌って読まれないじゃん。編集者になって、自分が思ってた以上に紙媒体の雑誌についていいニュースがないことに気がついた。休刊とか廃刊とかそんな話ばっかり。
取材先でも、「雑誌見て買いに来ました」とか話す人はもう滅多にいないって話もよくきく。
いつか子供ができて孫ができて、「おじいちゃん、紙の雑誌作ってたの?」って言われるんだろうなと思うとニヤニヤする。なんか未来を感じる。

こんな感じですね。まあ、仕事自体は本当に楽しいです。ただ、やっぱり「社会人として」とかオフィスの居心地の悪さとかはうんざりするけどね。